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働き方コラム

試食販売「日雇いパート」経験から見えたもの【平田未緒のパート労働体験ルポ】第2回

 

第2回 「マネキン」、売り場でピザを焼いて売る

スーパーでの試食販売の仕事に応募、
4時間に及ぶ登録・説明会でさんざんな思いをしたあと、
暗い夜道を家まで持ち帰ったオーブントースター。

 

試食販売の当日は、まだ暗い6時半に家を出て、
駅までの道を、やはりガチャンガチャンいわせながら運びます。
しかも当日は、オーブントースターだけ運べばいいのではありません。
「試食していただく食品を盛り付ける皿や菜ばし、まな板や、
エプロンや三角巾、テーブルクロスやキッチンはさみ、
その他飾りつけの小物など、自宅のものを持参してください」
・・・って、説明会でいきなり言われて、えーっ? です。

 

ちなみに「三角巾なんて、家にない」と試食販売会社に訴えたら、
「自分で購入してください」。
さらに「えええー…」な気分です。

ともあれ、予想外の大荷物を、某宅配便会社の大きく分厚い袋に入れて、
夜明け前の暗闇・酷寒のなか、ふうふう言いながら、まずは自宅の最寄り駅を目指します。
その後電車を乗り継ぎ、2時間近くかけ、ようやく指定されたスーパーへ。
が。大型スーパーは周囲が広く、どこから入ればいいのかわかりません。
ようやく通用口を見つけても、守衛室には誰もおらず、
バックヤードのどこへ行けばいいかわかりません。

 

「ピザの試食販売に来たんですけど、どこに行けば?」
足早に行き来する誰に聞いても、
「知らない」とクビを横に振られるばかりです。
早々に、心に暗雲が立ち込めました。

 

それでも、やっとの思いで
「今日、指示を受ける」マネージャーさんを探し当て、作業開始。
通路で上着を脱ぎ、エプロンと三角巾をつけ、
試食台を借り、テーブルクロスをかけ、お皿を置き、
持参したトースターを設置します。

 

マネージャーさんからは、
「今日の売上はマネキンさん次第だからね」
という、怜悧なクギが。

 

その言葉にドッキリしつつ、
もちろん返事は「はいっ!」と元気に。
その後は、あの説明会で「大きな声で!」といわれたとおり、
「○○のピザを試食販売中でーす」
「クリスピーで美味しいピザが、なんと今日は特売の○○円でーす」
など声を張り上げ続けました。

 

根は真面目な私。10時から18時の契約時間中、
30分強の食事休憩を取ったほかは、トイレにも行かずたちっぱなし。
足が棒になり、大げさでなく声も枯れるころ、
ようやく終了となりました。

 

余談ですが・・・
この間、ルール違反を一つだけやりました。
説明会ではピザ1枚を、
「32等分にして出すように」との指示でしたが、
これを勝手に、16等分に変えたのです。
だって・・「32等分なんて、無理!」。

 

16等分に変更してもなお、
チーズどろどろ、ぐにゃぐにゃの細切れピザを、
爪楊枝1本で食べていただくのは容易ではありません。
4種類のピザをローテーションでトースターに入れ、
焼き、切り、お勧めしつつ、
子どもが床に落っことしたピザを「笑顔で」掃除する。
これは、予想以上に、めまぐるしい作業でした。

 

【第3回 マネージャーの「評価コメント」に愕然】へ続く

 

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