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働き方コラム

パートさんが長く頑張っている会社がしている「たった一つ」のこと 第4回

 
 パート・アルバイトに定着してもらうには、いったいどうすればいいのか? これについて、静岡の店長・人事担当者のためのお役立ちサイト「ヒトクル」に平田未緒が執筆した記事を、同サイトのご厚意のもと、転載しています
 

第4回 ある日、スタッフが一斉に退職。そうならないための・・

 

「応募がない」「すぐ辞める」企業の共通点

 
前回までの連載で、パートさんが長く働いている会社では、パート・アルバイトさんとの「相思相愛」の関係づくりをしていることをお伝えしました。そして、実例と具体的な実践方法について、ご紹介してきました。
 
・第一回 「たった一つ」のこととは・・・相思相愛マネジメント
・第二回 【実例】3K職場でも人が辞めない理由
・第三回 賃金、役職登用、残業なし・・・愛の形はいろいろ
 
今回は、「相思相愛」とは逆の視点、言ってみれば失敗事例について、ご紹介しましょう。
私は以前、求人広告会社に在籍していたことから、パート・アルバイト雇用に関する企業側の失敗事例に、数多く接する立場にありました。というのも、失敗事例は、求人広告に掲載をされるお客さまの、「全然応募がないんだけど」「せっかく採用したのにまた辞めてしまったよ」といった声をきっかけに見えてくるものだったからです。
 
もちろん、求人広告会社の社員として、こうしたお客様の声は、心から申し訳ないものでした。求人広告は、人材の充足のために出しているのに、その目的がかなえられなかったわけですから、苦情をいただくのも当然です。
 
反面、深く頭を下げてそうした声を聴きながら「具体的にはどんなご状況だったのですか?」など状況をつぶさにうかがうと、その企業のマネジメントのあり方に、工夫の余地がある場合が多かったのです。つまり「相思相愛」とは言いがたい状況が、後ろに透けて見えました。より直接的に言えば「そのやり方では、パート・アルバイトさんがすぐに辞めてしまうのも仕方ないかも」と思える状況があったのです。
 
もちろん、求人広告のデザイン的な課題や、媒体そのものの力不足もあったかと思います。あるいは、求人内容と求人広告媒体のミスマッチや、掲載時期とのミスマッチもあったでしょう。そのことを深く詫びながら、同時に「応募がない」「すぐ辞める」企業の共通点は「相思相愛ではないこと」との確信を深め、「相思相愛」になるためのご提案をしてきました。
 
 

飛ぶ鳥を落とす勢いだった新規チェーンの内情

 
「相思相愛」の状況を築けていなかった例として、とある飲食チェーンでうかがったエピソードをお伝えしましょう。
 
その会社は、若い経営陣が和食業態で創業し、一定の評価を得ていました。そんな中、さらなる成長を狙って、まったく別業態に打って出ます。新業態は、商品のクオリティの高さと割安感のある価格設定がうけ、あっという間に他を圧する新規ブランドとしての知名度を確保しました。
 
ベンチャースピリットあふれる同社の経営陣は、ここぞとばかりに出店攻勢をかけていきます。まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」とはこのこと。同時に人材活用面においては、従業員のパート・アルバイト化を推進。パート店長などの登用も、積極的におこなっていました。
 
ところが、実は経営陣の方針に、現場がついていっていませんでした。出店に次ぐ出店。採用に次ぐ採用で、人材育成がまったく間に合っていなかったのです。
 
結果、まったくの未経験なのに、教育・研修もほとんどないまま、新人パートさんが「新規オープン」の現場に立たされることになりました。もちろん店側も、これが良いこととは思っていません。でも、店はすでにオープン告知を大々的にしており、無謀な対処をせざるを得なかったのです。
 
 

採用して3か月で50%が辞めていく状況

 
当然、現場はまわりません。それどころか、おろおろモタモタするパート・アルバイトさんにお客さまは、容赦のない文句やクレームを浴びせます。右も左もわからないなか、パートさんは誰かに相談したり指示を仰ぎたい気持ちでいっぱいです。でも、それができる相手がいないのです。
 
もちろん、新規オープンですから正社員自体はいます。でも、店舗オペレーションの中心に立ち、正社員自身が「テンパっ」ているので、とても声をかけられる状況ではありませんでした。
 
これでは、店頭に立たされるパート・アルバイトさんも、たまったものではありません。苦境に耐え兼ね一人辞めると、その後は櫛の歯が欠けるように退職者が続く事態が、あちこちの店で見られるようになりました。
 
同時期に新規採用された仲間が辞めると、同期は動揺してしまいます。加えて、仕事もシフトもさらにきつくなることが、目に見えているので、加速度的に退職者が出てしまいます。「こんなところ、私もとっとと出てしまおう」といった具合です。実際、同社の人事・採用担当者に話をうかがうと「採用しても、3か月で半数は辞めていくね」とおっしゃっていました。
 
 

パートの一斉退職~皆がつらい思いばかりしている

 
こうなると採用も自転車操業そのものです。新規出店計画は止まりませんから、新規募集は当然続けなくてはなりません。さらにそこに、すでにオープンした店への補充採用がかぶさります。特に補充採用では、必然的に「いつ見ても掲載されている」ことになる同社の募集広告に求職者が不信感を抱くようになり、応募がだんだん落ちていく状況も生じてきました。
 
慢性的な人手不足にあえぐ現場は、さらに疲弊し、次の退職者を出す、という悪循環。そこにさらなる悲劇が発生します。全店舗の採用を一手に担う「求人広告発注の専門部署」で働くパート女性たちが、ある日突然、一斉に辞めてしまったのです。
 
生命線である採用は、止めることはできません。その専門部署で働くパート女性たちも慢性的に、否応なく残業を強いられていました。でも本来は家庭をもつ身であり「だからこそ、短時間勤務のパート」を選んで応募してきた人たちです。「もう、これ以上続けられない」と反旗をひるがえすのも、当然といえました。
 
ここに“相思相愛”の関係はありません。
 
ちなみに、パート女性がごっそりと抜けたあと、膨大な採用実務に忙殺されたのは同社の正社員たちでした。相思相愛でない結果、正社員もパートも、皆がつらい思いばかりすることになったのです。
 
採用を担当されている方だったら、この恐怖がわかると思います。ここまで極端でなくても、「ヒヤリ」と感じた方は要注意。ぜひとも、社内の体制を見直してみてはいかがでしょうか。

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