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働き方コラム

パートさんが長く頑張っている会社がしている「たった一つ」のこと 第3回

 
パート・アルバイトに定着してもらうには、いったいどうすればいいのか? これについて、静岡の店長・人事担当者のためのお役立ちサイト「ヒトクル」に平田未緒が執筆した記事を、同サイトのご厚意のもと、転載しています
 

第3回 賃金、役職登用、残業なし・・・愛の形はいろいろ

 

“その人”を見たマネジメントをすることも、大事な愛の表現

 
前回(3K職場でも人が辞めない理由)、パートさん定着・戦力化のポイント「相思相愛」を実践している企業の例として、クリーニング会社の喜久屋さんを取り上げました。そして、相思相愛のポイントには「パートも正社員も、まるで家族のように愛する」社長の姿勢があることを書きました。
 
では「愛する」って、具体的にはどうすればいいのでしょうか。実はその表現方法にはいろいろあります。「愛」は、さまざまな方向から、さまざまな方法で表してこそ、相手に伝わります。また、相手に伝わらなければ、相手から思ってもらうことはできません。
 
喜久屋の場合、評価と役割に応じた賃金もその一つ。クリーニング工場には、いろいろな工程があり作業がありますが、喜久屋では、できる作業が増えるほど、時給が上がる仕組みです。また、リーダーなどマネジメント的な役割を担う場合は、その分の金額がさらに上乗せされます。
 
さらに、仕事ができ、やる気のある人は、正社員にも積極的に登用しています。登用後はもちろん正社員としての昇進もあり、実際同社の取締役のうち2人は、もともとパートとして入社した女性でした。
このように「パートだから」「女性だから」といった“属性”ではなく、働きぶりや仕事のスキル、意欲・能力など“その人”自身を見たマネジメントをすることも、大事な愛の表現です。
 
 
 
女性の多い職場だからこそ、長年の育児支援も
 
 
喜久屋では育児への配慮も、現在のように社会課題として顕在化するずっと前から、長年継続しています。スタッフのほとんどが女性であり、自社にそのニーズがあったからです。
 
具体的には、小学校から帰ってきた子どもについて、「お母さんの仕事が終わるまで、社員用の休憩コーナーで遊んだり、宿題をしていてよい」こととしています。
最近では、幼稚園バスの立ち寄り場所にもしてもらい、就学前の子どもたちも受け入れるようになっています。言ってみれば「ママの仕事が終わるまで」預かっている状態です。
 
「それ、リスク管理の面から、恐くはないですか。安全面は大丈夫なのでしょうか」
思わずそんな疑問を伝えたところ、「休憩コーナーは広く、事務室と横並び。当社の事務スタッフは、正社員もパートも育児経験のあるベテランぞろい。しかも、年上の子どもが年下の子どもと遊んであげたり、宿題を教えたり。これ以上安全な場所はないくらいですよ」という答え。
 
今後は、保育園に入所させて働いているパートさんへの保育料補助など、さらなる支援も具体的に考えています。これも「愛」の表現の一つです
 
 

相思相愛マネジメントは「会社全体」で取り組むべきもの

 
本連載では、こうした「愛」の表現について、早期離職を防ぐための「募集」「面接」「受け入れ」の仕方や、「シフト管理」「評価に応じた賃金」など具体的なマネジメントについて、具体的に解説していきたい思います。
 
加えて、「なぜ、そうすることが『愛』の表現であるのか」つまり、理論的な裏付けも、記していきたいと思います。
というのは具体的なノウハウをいくら実践してみても、その下に流れる心やセオリーを理解せず「カタチだけ」「表面だけ」のものとなっては、効果は発揮されないからです。
なお、今後記していく中には「いち店長」「いち上司」の立場では、実践しきれない部分も出てきます。例えば評価に応じた賃金制度の導入や、その評価項目をどうするかは、会社全体で考え、仕組み化しなければなりません。
 
その意味で、本原稿は、人事の責任者や、経営者層の方にも、ぜひ読んでいきたいと思います。相手がパート・アルバイトというと、軽く考えがちですが、その定着や活躍が企業の存続を決めていくことは、すでにお話ししたとおり。何より現場の皆さんが、一番強くお感じになっていることと思います。

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