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顧客アンケートで「心を通い合わせる」経営手法【長野第一ホテル】第4回

アンケートからオリジナル・サービスを展開

その、アンケートには、具体的な要望が書かれていることもある。
例えば「部屋に冷蔵庫が欲しい」といった声であり、
それがきっかけで、全室に冷蔵庫を設置した経緯がある。
営業部長の渡辺さんは言う。

 

「お客さまの具体的なご要望については会長が、
その場で『対応する』『しない』を決めていただけるのもありがたいです。
スタッフは皆、お客さまのことばかり考えていますから、
迅速な対応がことのほかうれしいわけです。

 

『しない』場合も理由を話していただけるので、納得がいくと同時に、
会社の状況をより深く理解することにつながっていると思います」
こうしたお客さまの声や、社員や会長の自由な発想により、
ほかにも、長野第一ホテルには、さまざまな物理的なサービスがある。
「例えば、当社で『5つのおもてなし』と称しているものです。

 

 

具体的には、

 

①朝食には、こだわりの“かけそば”とお稲荷さんのセットを無料でサービス
②1回 3,240円(税込)の格安レンタカーをご用意
③朝刊無料サービス
④フロント前の紙コップ式自動販売機で、ソフトドリンクはいつでも、何杯でも無料!
⑤ビールもジュースも、周辺のコンビニや自販機よりも安く提供

 

というものです。連泊のお客様には、さらに

 

⑥夜のおともに!【お菓子セット】をお部屋にご準備

 

というものもあります。男女別の展望風呂も、人気が高いんですよ。
駅から見えてしまうため、
残念ながら開放感抜群の天空露天風呂は、男性用だけですが」

 


ソフトドリンク無料の自動販売機

 


人気の無料朝食は、“かけそば”とお稲荷さん

 


遠くに山々を望む屋上露天風呂

 

365日均一料金で、常連客からの信頼を獲得

さらに価格は、部屋や「早割り」など条件が同じならば、
ハイシーズンもオフシーズンも、年中同じ価格とした。
これは、ネットでの価格比較が簡単になり、
客室単価がマーケットの需給バランスで大きく上下するのが普通となった今、
大変に珍しい対応といえるだろう。

 

「実際、長野駅周辺の当社の競合ホテルには、
同じ部屋の価格を、オフシーズンは3000円、
ハイシーズンには1万5000円などとしているところがあります」
と宇都宮さん。

 

ところが、長野第一ホテルのスタンダードなシングルルームは1泊6000円となっている。
オフシーズンや、平日などは、むしろ「高い」と感じられる設定だ。

 

売れるときに、敢えて価格を吊り上げない。
これは、常連客からの信頼を、大事にしているからである。
アンケートに書かれた「思わず『ただいま』と言ってしまいそうになる」応対や、
清潔感だけが、リピート客に支持されている理由ではない。

 

価格設定の仕方から、工夫を凝らしたさまざまなサービスまで、
あらゆるところに、長野第一ホテルの「心」を感じているからだ。
「心が通い合う」相手は、社員同士、経営者と社員だけではない。
お客さまとも「心が通い合」っている。

 

この三者が互いに想い合う関係を作れているから、
客室稼働率が年平均で7割以上にもなるのである。

 

 

プラスの連鎖で「客室稼働率9割」を目指す

こうした変化を、実際に肌身に感じてきた正社員が、一人だけいる。
経営引継ぎ時に全員雇用継続したものの、
パートや契約社員は高齢化や家庭の事情で入れ替わり、
正社員も年齢や健康問題、家庭事情、中には仕事意識の違いから、
一人を除き組織を去った。

 

その一人が、入社11年目でフロントの要となっている、主任の小布施和代さんだ。

 


前経営者時代から働く小布施さん

 

 

「新卒で旧・長野第一ホテルに入社し、
新・長野第一ホテルでの勤務が社歴の半分に近づいてきました。
振り返ってみると、以前は毎日フロントに立って言われたことをするだけでした。

 

お客さまも少なく、自分で何かを新たにすることも出来なかったし、
気づいても言える相手がいませんでした」
今は違う。相談すれば、必ず返事があり、何かしらの形になる。
「昔は、仕事が事務的でした。

 

今は会長が『それ、いいアイデアだね』などと受け止めてくださり、
もっとよくしたい、って思います。
私だけでなく、一人ひとりが皆そう思っているパワー、
プラスの連鎖はすごいと思います」
誰もが反対した、長野第一ホテルの経営引継ぎ。

 

全社員発表から2年強が経ち、今や誰もが認める、長野第一ホテルに生まれ変わった。
宇都宮会長は言う。

 

「まだまだいけると思っています。大幅な賃上げを行い、
将来を見越した収支バランスを危惧する声もありましたが、ここも心配していません。
というのは、客室稼働率は高まったとはいえ、7割です。
9割目標としても、まだ2割も伸びしろがあるわけです。
だから、大丈夫です」

 

その笑顔には、全社員とお客さまとの「心が通い合」っているからこその、
さわやかな自信が感じられた。

 

[終わり]

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