取材・文／働きかた研究所 平田未緒
ミサワホームイング株式会社
営業本部 営業推進部 部長
高塚瑞穂さん
◆社名 ミサワホームイング株式会社
◆創業 1998年
◆資本金 8億円
◆売上高 232億円（平成25年度）
◆経常利益 5億5000万円（平成25年度）
◆従業員数 625名（うちパート等189人）
◆事業内容 住宅リフォーム、ほか
◆本部所在地 東京都杉並区高井戸東2丁目4番5号
※情報は、取材時（2014年）のものです。
戸建て住宅やマンションなど、個人宅のリフォームを多く手掛けるミサワホームイング。
売上は、平成25年度で232億円と、前年比、実に22億円の上昇だ。
一方、経常利益は5億5000万円で、同3億3000万円高まっている。
この躍進に、同社がHA（エイチ・エー《ホームイング・アドバイザーの略》）と呼ぶ、主婦を中心とした約180人の女性パートが大きく貢献している。
例えば平成25年度の下半期、トップHAの成約利益額は、実に2300万円超である。
個人宅を個別訪問しながらリフォームのニーズを引き出して、半期でこれだけの数字をたたき出す。
もちろん、同社の営業成績に、消費税増税前の駆け込み需要が大きく寄与しているのは間違いない。
しかし、同業他社も出店攻勢をかけるなか、これだけの伸びとなった背景に、HAの頑張りがあったこともまた、事実である。
どうして、主婦パートがこれだけ頑張ってくれるのか？
同社の営業本部で、HAの制度設計に長年携わり、実質的にその力を引き出してきた、営業本部 営業推進部 部長 高塚瑞穂さんにうかがった。
180人の主婦パートが毎年参加する営業会議
「取材なら、ぜひ『HA（エイチ・エー）全体会議』にいらっしゃいませんか？
HAの生の声も聞いていただけますし、彼女たちの雰囲気をつかみ、活躍ぶりを直接感じてもらえると思います」
HA（エイチ・エー）全体会議
ミサワホームイング営業本部営業推進部の部長、高塚瑞穂さんは、取材依頼に二つ返事で応じてくれた。
HAとは、ホームイング・アドバイザーの略称だ。
主婦を中心とした女性パートが、販売促進業務を担い、地域の個人宅を訪問する。
同社が発行する生活提案情報誌「ホームイングプレス」を届けたり、インターフォン越しや、時にはお客さまのお宅に上がって話をし、リフォームの見込み情報を掘り起こす。
正式な見積もりやプランの依頼となれば、同社がリフォーム・エンジニア（RE／アール・イー）と呼ぶ、営業職の担当社員にバトン・タッチ。
要するに、新規客を開拓し、リピート客をつなぎとめるのが仕事であり、
同社の営業活動の一つの基盤となっている。
HA全体会議は、そうしたHA約180人を、一同に集めて行う、年一回の会議である。
成績優秀者77名の表彰は、社長自ら檀上で
その場に参加して、驚いた。内容が想像以上に、「営業」に特化していたからである。
式次第の一番目は営業成績表彰だ。
対象は、2013年度の下半期に、自らが携わり稼ぎ出した成約利益額が400万円以上に達した人。
壇上で同社の渡邉一広社長が、一人ひとりに、記念品などを直接手渡す。
一人ひとりに記念品を渡し感謝を伝える渡邉一広社長
ちなみに今年の対象者は77人。
うち8人が、成約利益額1000万円以上という成績だ。
この成約利益額額が低い方から、名前が呼び上げられる。
利益額がより高いHAへと、順に76人への手渡しが終了。
最後に呼ばれた下半期のトップ、茨城県の営業店に勤務するHAのそれは、実に2300万円超である。
実は昨年もトップ表彰されたという最優秀HAが、「好成績の理由」を壇上でスピーチ。終わると拍手が沸き起こった。
最優秀HAが、好成績の理由をスピーチ
続く、渡邉社長の講話でも、営業色は薄れない。
下期の実績報告と、新中期3カ年計画などが、配布資料に従って、具体的な数字入りで説明される。
その冒頭で語られた「経営ビジョン」や「CS経営指針」は、策定以来毎年同じ内容を、しつこく説明し続ける。
外部講師による講演も、営業色は薄れない。
テーマは、「お客様に感謝されて売れる『共感』コミュニケーション術」。
そのコツやポイントが、講師から明解に語られた。
続く懇親会は、会場を移しての立食パーティー。
営業本部の本部長から、感謝とエールのスピーチがあり、乾杯。
ようやく営業色が消え、日ごろの仲間がテーブルごとに集まって、会場はあっという間に華やかなおしゃべりに包まれた。
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