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働き方コラム

【平田未緒コラム】副(複)業のほかで聞かない効用

 
 
従来ご法度とされてきた、正社員の副業(複業)・兼業。
 
 
これを、今では厚生労働省が普及促進するようになり、
まだまだ主流とは言えませんが、
副業(複業)に対する世の中の認識や実態が、
大きく変化してきました。
 
 
副業(複業)にはメリットがあると、
私も思っています。
 
 
それも
「社員が社外で活動することにより、
社内では得られない知識・スキルを社外から獲得することができる」
などよく聞くメリットではなく、
世間ではあまり「耳にしない」メリットです。
 
 
何か。
それは、自分の市場価値を知る、ことです。
 
副業は、
かつてリーマン・ショックの後などにも、
実はしばしば見るものでした。
 
 
残業がなくなったり、
あるいは正社員がリストラにあい契約社員になるなど、
本業の収入だけでは足りなくなり、
その補てんを目的としたものです。
 
 
例えば、フルタイムで働きながら、
出勤前の早朝にビル清掃のアルバイトをする、
といった方々が、いらっしゃったのです。
 
 
当時私は、求人広告会社の社員でしたので、
実際、そうしたダブルワーク狙いの求人募集も、
たくさん目にしてきました。
いわば、時間の切り売りであり、プチ買いです。
 
 
ところが、今の副業(複業)は、
当時とは大きく違ってきています。
時間ではなく「スキル」「能力」を
売ったり、買ったりする例が増えています。
 
あるいは、自分のスキルや能力アップを目的に、
副業(複業)を志す人もいます。
 
実際、こんなことがありました。
 
 
ある企業でWeb担当をしている友人が、
別の企業の「Web戦略」を副業で受託したいと
売り込み活動をしたところ、
そこには競合他「者」がいて、
結果的に、その友人は採用されなかったのです。
 
つまり、友人は、
自分に「値付け」することを通じて
自分の市場価値に直面し、
他者に負けたことで、
「選ばれる」厳しさを味わいました。
 
 
 
そのとき友人が言っていたのは、
「本業のありがたさ」と、
「もっと実力をつける必要性」です。
 
私自身にも、依頼側としての、
こんな経験があります。
 
あるデータの入力作業を、
自社のスタッフに行ってもらわずに、
インターネットのサイトを通じて、
複数の個人に業務委託をしたのです。
 
理由は、本業か副業(複業)かを問わず、
フリーランスの実態を垣間見たかったから、でした。
 
その経験を通じ、アリアリと見えたのは、
まさに「実力」の差でした。
 
ちなみにフィーについては、
名乗り出てくれたご本人に、
希望の受託額を提示してもらいました。
 
 
そのなかから、
こちらで見積もった必要な作業時間に比し、
「安すぎない(最低賃金を確実に上回る)」額を
提示してきた方々を抽出。
 
さらにそこから、
敢えて居住エリア(関西・北関東・東京)や性別や、
メールから感じる雰囲気の違う4人の方に、
実際に作業を依頼したのですが・・・
作業の質、納品物の精度には、
まさに雲泥の差がありました。
 
 
その後も、実際に必要があり入力作業の外注をしましたが、
より正確に、より早く、かゆいところに手がとどくような
仕事上の配慮(言葉遣いが丁寧などということでなく)があった方に、
継続発注したのは言うまでもありません。
 
もちろん、業務委託で行った仕事の報酬が、
最低賃金を下回ってしまう可能性など、
「弱者がさらに弱者になってしまう」危険性に対する議論は、
また別の問題としてとても大事です。
 
半面、たとえ副業(複業)でも、
「自らを商品とし、市場に出す」経験は、
本人の、本業における給料の意味を見直させます。
 
 
企業に雇用されていると、
「あたりまえのように振り込まれる」労働対価が、
実は(会社が、競合他社との)競争に勝ち残ってこそ、
得られるものだということが、
肌感覚でわかってくるのです。
 
そして私は、ここにおいても、
企業にとって、社員が副業(複業)をするメリットが
あるのではないか、と考えています。
 
もちろん、企業側の視点でみれば、
社員が副業(複業)することには、
やはり慎重になるものだと思います。
 
副業が「雇用」である場合
労働時間の合算や時間外労働の割増賃金の問題が生じますし
特に中小企業の肌感覚からすれば、
「社員が別の収入源を公然と持つことへの心配の方が大きい」
と思います。
そのまま引き抜かれでもしてしまったら、大変です。
 
一方で、一企業の力ではいかんともしがたい、
この大きな流れがもたらしてくれる、
プラスの価値を享受する方向にも、
視点を向けてみたらどうだろう。
 
 
要するに、企業側も当人側も、
いきなり解禁のごとくなった複業というものを、
どう利用・活用していくか、
あるいは、利用・活用できるか、なのだと思います。

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